<MSPの取り付け>和太鼓の内側(一度皮を外し)に5mmのポジショニング磁石を入れて、外側にMSP本体とその上に5mmのポジショニング磁石を取付けた。 今回はフルカーボンの胴で普通の太鼓よりも少し胴が薄いので、細かな調整は取り付け後に行うこともできる。
<エフェクトについて>音質的にはノーエフェクトで聞くとやや打楽器特有のコンコンというアタック音が聞こえるがとてもはっきりと音を捉えてくれている。アタック音のきつい部分はEQを使いカットした。低音がしっかりしているので、和太鼓の出したい音域をしっかりカバーしてくれる。
<ライブでの使用>実際のライブでは2月に行われたロックバンドGLAYのアリーナツアー2015 Miracle Music Hunt千秋楽公演に出演の際に使用し、PAオペレーターからも良いという意見があった。
その後は閃雷10周年ツアーを回る中で、ライブハウス、ホール、野外など様々な会場で試しながら、調整を行ってきた。
どうしても和太鼓自体生楽器、牛皮を使っているので気温や湿度によってかなり音質や鳴りが変化するが、その都度EQやコンプなどエフェクターを調整することでかなりの威力を発揮してくれた。
閃雷(自身の和楽器バンド)の10周年ツアーファイナルでは、DJやキーボード、ベースなどの洋楽器とのパフォーマンスでも存在感を発揮してくれた。MOD系や空間系のエフェクトも綺麗にかけることができて、ベーシックな音作りから和太鼓で飛び道具的な不思議な音色までを表現することに成功した。また、演奏上のパフォーマンスにおいても強力なポジショニング磁石の威力で、ライブ中動き回ったり太鼓を回したり暴れたり(笑)する私のプレイの中でも外れる事もなく丈夫な作りになっている。
コンパクトで丈夫且つ音にもこだわったMSPピックアップマイクはとても素晴らしい力があると実感した。
<MSPの出会い~セッティングの変遷> 優れたマイクや、エンジニアでもなかなか触れる機会がなければマイクの立て位置や音質、音圧など様々な点で頭を悩ませる和太鼓。 特に、最近では担ぎ桶太鼓というギターのようにストラップをつけて演奏しながら自由に動き回ることができる太鼓を使うプレイヤーが増えている。実際私もこのスタイルを得意としているので、コンパクトで音質の良いピックアップマイクを探していた。
そこで見つけたのがMSPピックアップだった。インターネットを見ている時に見つけて「これだ!」と思いすぐに問い合わせた。実際和太鼓には使ったことがないということだったので私が実験させていただくことになった。
シンプルでコンパクトな外見で余計な配線や場所を取る必要がないことと、生楽器なので用途に合わせてマイクを付けるシーンと そうでないシーンがあるが、MSPは磁石での取付なので、簡単に取り外しが可能な点はMSPの大きな魅力だと思う。
実際に取付け、音を試してみる。元々アタック音も強くそのエネルギーの放出率もすごい楽器なので、他の楽器とのアンサンブルの相性などが、良くも悪くも問題視されて来た楽器であり、かなりの振動がマイクに直に伝わり「ビビり音」が目立ってしまった。
その次に和太鼓の胴の部分に取付けてみた。ビビり音がなくなりしっかりと音を拾ってくれました。
<MSPの課題> 使っていてとても使いやすくかなりいいです。可能であれば、やはり胴という離れた場所でも若干の破裂音(コンコン)があるので、周波数的にカットすべきか、付属していただいたフェルトを厚くするのか、取り付け的な問題なのかが解決できたらかなりいいなと思いました。
<使用機材> ・太鼓正 担ぎ桶太鼓カーボンモデル(和太鼓) ・SoundPure 8011Ⅱ(ワイヤレスシステム) ・YAMAHA GQ2015A(イコライザー) ・ZOOM B3(マルチエフェクター) ・ZOOM MS-70CDR(空間系エフェクト) |
*2016年2月に千葉さんよりいただいたコメント。*