二胡は構造上、MSPのようなサンドイッチタイプはほぼ使えないのですが、たまたま取付可能な形状の「北京タイプ」八角二胡を持っていたため試させてもらいました。
二胡胴体の後部に嵌め込み木枠がなく、マグネットセッターが挿入できるので弦の振動が伝わる前面蛇皮に取付け。すごい磁力で簡単に引き合いますね。 位置は蛇皮を正面から見て左側がベスト。 右側だと楽器を置く時に弓が当たって邪魔になります。 細かい位置取りとしては皮の上・中・下・端・内どこでも目立った音色変化はありませんでした。
音質は全体的に厚みとふくよかさを感じます。特にミドルあたりはいいですね。 エフェクトでリバーブをかけてもぼやけず芯のある音が出るので、結構強めにかけちゃってます。 キャパ40~50人程のフロアでは特に効果的な広がり感が得られる気がしました。 音量優先でつくられている北京二胡は生音でも強めで明るいクリアな響きが出るため、 若干ハイを抑えた設定の方がよさそう。あと蛇皮を薄く削って良く振動するようにしてあるので皮の厚い蘇州二胡に付けると鳴りが変わるかもしれません。
心配していた擦弦時のノイズは、ポジショニング磁石と皮の間に フェルトを1枚かますことでずいぶん軽減されました。 (録音音源を聞く限り、リバーブ強めにすればほとんどわからないかも)
音色以外では、MSPを取付けたまま持ち運べるためセッティングの時短になる・ コンパクトで取り回しが楽・取付時の安定性が良い・蛇皮が傷つかない など、取扱い面でも非常に魅力的。 普段演奏活動している老人ホームでは準備にあまり時間をかけられないし 奏者まわりのスペースも狭かったりするのでかなり助かります。
活動当初はとにかく音を届けることを最優先にしていましたが、 MSPは音量音色ともに充分、気持ちよく演奏ができます。 今回試した二胡は初心者用の低スペックタイプでしたが期待以上にいい音色で大満足でした。
ただ北京二胡は蛇皮を薄く削って良く振動するようにしてあるので 皮の厚い蘇州二胡に付けると鳴りが変わるかもしれません。
■使用機材■
・二胡
本体:八角北京タイプ紅木二胡(初心者向け)
弦:敦煌牌・牡丹型二胡弦
弓:李懐剛製作・専業独奏級紅竹弓(長節) 及び 光舜堂製 福音弓「西風」
・スピーカー:Roland CUBE Lite MONITOR
・シールド:BELDEN
●音色以外のメリット●
・MSPを取り付けたまま二胡ケースにしまえるのでセッティングの時短になる
・コンパクトで取り回しが楽
・スタンドやクリップ式のマイクに比べ取付時の安定性が格段に良い
(ピエゾでも粘着テープだとうろこの凹凸で安定しない)
・蛇皮が傷つかない
普段演奏活動している老人ホームでは準備にあまり時間をかけられないし
奏者まわりのスペースも狭かったりするので取回し面ではかなり助かります。
デメリットは…大前提として裏に花窓のない二胡にしかつけられない、
または花窓を取り外す加工が必要ということはあります。
後は擦弦時のノイズ。
フェルトを1枚かますことでずいぶん軽減されました。
個人的にはリバーブきつめにかけてたらさほど気にならないかも?
ギター伴奏してくれた友人はちょっと気になるらしい…
シビアにレコーディングとかするには目立っちゃうかな?
他には座って弾くと本体から繋がってるジャックの位置が、
中途半端にぶら下がる感じになって少々重さを感じる、というくらいです。
*2016年12月にすみれ組 としこさんよりいただいたコメント。*