MSPの既存モデルとV3の比較演奏を行ってみました。
セッティングポジションはE弦側の駒下、バスバー付近です。
※イヤホン/ヘッドホン、またはしっかりと低音が再生できるスピーカーでの視聴をオススメします。
以下、セッティング位置を変えながらのテストに基づくインプレッションです。(★新規追加)
【ロー~ハイの特性】
超低域(ボワつく/ハウリングの元になる帯域)は現行モデルより抑えられたように感じます。
ロー〜ローミッド(各弦の開放音の基音〜第二倍音あたりの帯域)も現行モデルよりやや抑えられたように感じます。
ミドル〜ハイ(音程感を支配する帯域)は、他の帯域が引っ込んだ分前に出てきた印象です。
トレブル/プレゼンス(フィンガーノイズ、カリカリいう帯域)も現行モデルよりやや抑えられたように感じます。
【音量】
主に低域が抑えられた(ように感じる)ため、体が押し出されるような音圧感は薄くなったように思いますが
ハウリングしやすいポイントが抑えられた分アンプ側のボリュームを上げられるようになり、
結果的に音量は現行モデルより稼げるようでした。
またアンプ側のボリュームが同じ目盛りでも音程感がはっきり聞き取れるようになったため、
音量をそこまで上げなくても抜けが良くなったのではないかと思います
(ここは他の楽器と合わせてみないと分からないところですが、、、)
【音の立ち上がり~減衰までのカーブ】
元々現行モデルでも非常にナチュラルなため、そこは変わらずでした。
(立ち上がり〜減衰についてはマグネット+コイルタイプのピックアップで問題になることがありますが、
ピエゾタイプで問題になることはほぼないため、そもそも観点としてあまり必要ではなかったように思います。。)
【その他】
ケーブルをテールピースに固定できるようになったのは素晴らしい改良だと思います。
ピエゾの性質上ケーブルが楽器に触るとノイズの原因になるので、それが回避できるのは非常にポイント高いです。
【総合的な感想】
コントラバスでの使用に関して、
現行モデルよりハウリングに強くなり、音程感が際立つようになったため、
よりライブ/ステージ向けになったように感じました。
逆にハウリングの心配がなく、ケーブルの取り回しも問題にならず、
かつ極力生音(あるいはマイク録り)に近づけたいような現場では
現行モデルのMSPを選択するケースもあるかと思います。
【ポジションを変えながらのテスト】
【今回のテストについて】
今回テスト中にG弦が切れるというアクシデントがあったためE〜D弦のみでのテストになってしまいました。
動画編集のほか、ライン録音を元に周波数特性の調査を行いました。
全く同じ弾き方とはいかず厳密な実験ではありませんが、
同じ位置にセッティングして同じ音を弾いた箇所を元に分析を行いました。
1音ではなく、D線・A線・E線の開放音をつなげて解析していますので
多少は演奏のバラつきを緩和できていると思います。
各ポジションで共通して見られる傾向として、
以下の帯域が現行モデルより新モデルで抑えられているように思います。
・100Hz以下の帯域
・800-900Hzあたりの帯域
・1.2k-1.5kHzあたり(ここは顕著ではありませんが、、)
それぞれ、上記感想の
超低域〜ロー〜ローミッド、フィンガーノイズの帯域あたりに該当するかな、と思います。
*2017年4月にkamehiroさんよりいただいた情報。*
kamehiroさんによるMSP現行モデルの詳しいレビューは★コチラ★