「テナーネックソプラノ」にマイクを仕込むことを考え始めました。ひとまずサドルの下に置くタイプはいやだなあと思いつつ、工房さんに相談したり、ネットでいろいろ調べたりしてみました。そこでこれは面白そうだなと思ったのが「msp」というピックアップシステムです。これはウクレレ自体には細工をせずに、トップに直接装着するタイプです。
面白いのはボディーの内側に磁石を入れてマイクを磁力で固定するんです。ボディーがソプラノなので直径1.5センチくらいでもそれなりに存在感があります。今回は磁石で固定させるための道具やら何やらが揃っている「ウクレレキット」というセットを買いました。Youtubeに装着方法がアップされているのでそれを見ながら簡単に取り付けることができました。ちょっと驚いたのは磁力の強さで、下手をすると指ではがすのに難儀するくらい強い磁力です。磁気データのメディアの側には置かないようにしないと危ないです。セットにはケーブルを架ける為のハンガーも付いています。これをボディーの裏側にやはり磁石で付けます。
まあこれはあってもなくても良いといえば良いものですが、実際ライブではケーブルがブランブランしないので重宝しそうです。さて肝心の音はということですが、ちょっとした位置の違いでけっこう音が変わるので正直驚きました。トップの板もあちらこちらでいろいろな響き方をしていることがよくわかりました。で、写真の位置が1番気に入りました。もっとサドルに近い位置に取り付けると音量はかせげるんですが、音が太くなり過ぎます。この辺りがこのウクレレらしい可憐な音がしました。位置が決まればボディーの内側の磁石をテープで固定してしまうこともできます。そうすれば現場でこのピックアップをその位置に持っていけば装着できるというわけです。次回のライブにはこのピックアップでいこうと思っています。
*2014年に岩渕まことさんよりいただいたコメント。*
【後日のブログ記事より】
昨日ブログに書いた「msp」というアコースティック楽器用のピックアップですが、いろいろと試してみた結果、良いピックアップだという結論に達しました。今日になってピックアップだけでの録音をしてみようと思い立ち作業を始めました。しかし昨日のピックアップの位置では弦の鳴りに比べてその他のノイズが気になってしまうことがわかりました その後何ヶ所か位置を変えて録音しながら音をチェックしたのですが、このウクレレの場合、上の写真の位置が1番良いようです。ボディーの内側の磁石の位置は力木のすぐ奥のあたりです。ここだと弦の鳴りとノイズのバランスも良いと思います。下手ですが試しに録音した音がこちらです。
これはピックアップからパッシブのDIを経由してミキサーに入れています。ミキサーではローカットやEQ調整などは一切していません。ミキサーからUSB経由でiMacのLogic Proで録音しました。録音後にもリバーブやコンプなどは一切かけていません。 尚、ミキサーでローカットを入れてやると生のウクレレの音に近い感じになるので、本番ではEQで自分の音作りが充分できると思います。ということはピックアップとして必用な情報はしっかり拾ってくれているということなので、良いピックアップだと言って良いと思います。ただし、ひとつ怖いのは磁石がかなり強力なので楽器へのダメージがないかという事です。ピックアップとケーブルのホルダーを両方とも付けていて、片方を外すと外れた磁石がもう一方の磁石まで空間移動して「ガチャン!」という感じで飛びつく時があります。実際に楽器に何かダメージがあったわけではありませんが、ちょっと気をつけた方が良いと思います。手順としてはマイクの位置を確定してからホルダーを付ける、あるいは必用な時以外は付けないことも良い選択だと思います。またそんな人のために磁力の弱めな磁石も発売されています。とにかくこのピックアップはウクレレ専用ではなく、他の楽器にも使えるのでなかなか優れもではないでしょうか。<123sound.jpスタッフより/MSPを取付ける際は、①ポジショニング磁石を楽器内部に差し入れる ②MSP本体と楽器の間に指を挟みながら磁石同士が引き合うポイントを探す ③MSP本体をゆっくり取付ける 以上3点に注意して楽器に衝撃を与えないように取付けてください。>
*2014年に岩渕まことさんよりいただいたコメント。*
岩渕まことさん公式HP
Follow @buchiboogie |