アコースティックギター・ウクレレ奏者 旅瀬健さんによるピックアップマイクMSP‐V3を使用した評価のメイン画像

旅瀬健さんのMSPをウクレレ&アコギに使ってみた

ピックアップメーカー123sound.jpが旅瀬健さんのアコースティック楽器用ピックアップマイクMSPの使用例をご紹介します。

ウクレレ&アコギにMSPを使ったご感想 from 旅瀬健

2016年から17年にかけての年末年始には、
色々なライヴやイベントに参加したのだが、
このMSP、非常に良い仕事をしてくれた。
ちなみに購入以来、9カ所、9回のライヴで使用している(17年1月時点)。

会場の内訳はキャパ20人程度のアットホームなライブハウスから、
80人の中規模ライブハウス、またキャパ200人の小規模ホールまでである。
色々と特筆すべき点はあるが、
以下、いくつかポイントを列挙してみる。


1)音質が良い。
貼り付け型のピックアップには、
えてして音がこもりがちになるという宿命がある。
しかるに、MSPにはこれが当てはまらない。
ブリッジ下に埋め込むタイプのピックアップや、
グースネックの先に付いたコンデンサーマイクで
ボディ内の音を拾うタイプのピックアップにまったく引けを取らない、
クリアでエッジの効いたサウンドが得られる。
単音、和音ともに、音の輪郭がしっかり出るのである。


2)楽器を傷つけない
強力なマグネットで楽器に装着する仕様になっているため、
楽器に加工がまったく不要である。
ヴィンテージ楽器にも何ら躊躇うこともなく装着することができる。


3)サウンドバリュエーションがきわめて豊富である。
取り付ける、つまりは貼り付ける場所によって、
色々なサウンドバリュエーションが楽しめる。これは面白い。
基本的にはブリッジ近辺の表板に配置するのがオーソドックスなアプローチだろうが、
敢えてネック寄りの表板に付けてみたり、サウンドホールの真下に付けて見たり、
はたまたボディサイドに付けてみたりと色々試してみるのも面白い。
驚くことに、かなり音質が変化するのである。
また、ピックアップ本体をそのままウクレレやギターに張り付けても良いが、
付属のフェルトでできた緩衝材をはさんでみると、音が実にまろやかになる。
オシロスコープなどで波形を見たなら、
恐らく角がずいぶんと丸くなっているものと思われる。


4)プリアンプを使うと、より効果的
キャパが30人程度ぐらいまでのハコなら、
特にプリアンプを使わずとも何とかなった。
つまりあまり神経質にならない限り、
PAやアンプでそれなりに自分の好みの音が出せるし、
そのコントロールも手軽にできるケースがほとんど。
しかし、50人以上が入るライブハウスやホールの場合には、
PAのオペレーターさんも遠いところに座っていたりするし、
細かいニュアンスなどが出しにくくなることもあり、
そうなるとやはり手元でしっかりと音をコントロールできるような環境が欲しい。
最も手っ取り早いのは、プリアンプを使うことであろう。
僕の場合、ウクレレには L.R. Baggs の GigPro を愛用している。
これはベルトクリップで腰の後ろ側にセットすることができるので、
色々と動き回ることもあるライヴでは非常にありがたい。
コントロール類としては、
27Hz-200Hz の可変トリム、トレブル、ベース、ゲイントリム、位相スイッチなど。
このプリアンプ、実に小さく手軽なのであるが、
その機能はなかなか優秀、またMSPとの相性も抜群で、大きめのハコには非常に有用である。
ちなみに、アコギを弾くときには、定番のアイテム Para Acoustic D.I. を使用している。


5)エフェクターとの相性が良い。
音作り、サウンドコントロールという点からすると、
アコースティック専用なら、例えば Zoom の A3 あたりが妥当か。
僕の場合、LINE6 の POD や BOSS の ME-25 をかましてみたのだが、
歪み系から空間系、はたまたモジュレーション系、ダイナミクス系からフィルター系に至るまで、
しっかりと音が変化し、様々なサウンドヴァリエーションを楽しめた。
MSPは各種エフェクターとの相性もなかなか良いという印象。


6)ハウリングに強い。
これまで9回のライブにおいて、
ハウリングに悩まされたことは1回もなかった。
ライヴの現場において、これは実にありがたいことである。
今まで、様々なアコースティック系のピックアップを使ってみて、
何気に大いに悩まされたのがハウリングであった。
事前にボリュームやEQでしっかり調整してあっても、
ちょっとしたことで「ブゥ~ン」やら「キィ~ン」やらというあの音が聞こえてくることがままある。
ライヴの現場というのは忙しい。ごった返していると言っても良い。
演奏中、ちょっとモニターなどに近づいただけでいきなりハウったりされると、
その調整でなかなかに面倒だったりするし、
場合によってはオーディエンスに不快感を与えてしまうことだってある。
最近ではプリアンプやエフェクターにハウリングを解消、 相殺する機能が付いているものもあるが、
そのようなファンクションを使わずしてハウリングが起きず、
すんなりとライヴに集中できるイクイップメントはそれだけでかなりありがたかったりするものだ。


7)抜群のコストパフォーマンス
僕はこれまでにフィッシュマンや L.R. Baggs などのアコースティック楽器用ピックアップを色々と試して来た。
用途としては、必ずしもウクレレばかりではなく、
むしろアコギのほうが多かったのであるが、
費用対効果を考えた場合、MSPは圧倒的に強い。文句なくナンバー1である。
次点、ナンバー2に付けるのは L.R. Baggs の M-80 あたりであろうか。
MSPを製造する 123music.jp は、決して巨大なるメーカーではないが、
MSP以外にも様々にユニークな製品をマーケットに送り出している。


特に何らかの難がある製品ではないが、
一点、あえてリクエストするとすれば、
MSP専用に設計されたプリアンプが欲しいところ。
僕にとっては、GigPro や Para Acoustic D.I. が優秀な分、特に要らないような気もするが、
一方において、専用設計のプリならば、MSPの持つポテンシャルがさらに引き出せ、
良い仕事をしてくれるのではないかと考える次第。


とまれ、このMSP、音質や使い勝手の良さ、外部機器との相性、
ハウリングの心配無用、抜群のコスパなどの点からして、
当面は僕のライヴにおける欠かせない相棒として非常に重要な役割を果たしてくれそうな予感がするのであった。


*2017年1月に旅瀬健さんよりいただいたコメント。*

Artist Biography

略歴

旅瀬健

関東地区でバンドやソロの弾き語り演奏を中心に活動中。

旅瀬健さんの公式ブログ 旅瀬健さんの Youtube チャンネル 旅瀬健さんフェイスブック
 

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MSPとは

磁石で取り付けるマグネティックマイク

マグネットサンドイッチドピックアップ、通称MSP(エムエスピー)。磁石で簡単に取り付けられる、国内・国際特許取得済の新しいタイプのコンタクトピックアップです。電池のいらないパッシブタイプのマイク。ピエゾとは思えない自然な音を実現できます。

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楽器を傷つけずに取り付け可能

磁石で楽器のサウンドボードをはさむだけで簡単に取り付けられます。楽器に穴をあける必要も特別な工具も必要ありません。粘着で楽器を汚すこともありません。届いたその日に取り付けができ、いらない時には外せるので、お手持ちの複数の楽器に使いまわせます。

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好みの音を探せる

MSPは取り付けた位置の音の響きをとりますので、取り付け位置が数ミリ変わるだけでも違う音色を楽しめます。様々な取り付け位置をお試しいただき、お気に入りの音色を見つけてください。お客様の使用例は下記リンクよりご覧いただけます。

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自然な音色

強力なネオジム磁石でピックアップを押圧することで、サウンドボードの響きをダイレクトにとることができます。これが123sound.jpの特許技術。楽器を傷つけず固定するだけでなく、個々の楽器の音の個性を引き出すことができるのも魅力のピックアップです。

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